アンタ達、あたしの日常どこやった?

同時に両側から言葉を投げられ、間の真澄が耳をふさぐ。



その時だった。



「はいはいはい、通して通して〜」



「すみませんごめんなさいお邪魔します」



遠くから人混みをかきわけかきわけ、聞こえてくる女の子2人分の声。



…げ、気付いたら周囲の人間が完全に一歩引いた目で遠巻きにあたし達を見てるんですけど…



やっぱコイツが原因なのか、謎の俺女。



「はあ、引き取り手がやっと来たわ」



良かったあ、と息を吐く真澄。



何、"引き取り手"って。



「ちょっとはるる!勝手に消えんなよ!」



「もー、お相手さん困っちゃってるでしょ」



そんなこんなで現れたのは、まるで小学生みたいにちっちゃい2人組。



…申し訳ない。



あたしの身長(170)を基準に見るから悪いのか。



訂正。すごく小柄な少女2人組。



「なんだ葵に未月。別に俺は消えてないぞ」



「目を離した隙にどっかに行くことを"消えた"って言うんだよ」



すげえ的確なツッコミ。



そんなナイスな発言をかましたのは、肩口までの髪をぴょんぴょん跳ねさせたお嬢さん。



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