アンタ達、あたしの日常どこやった?

「さあ…そこまでは私にもちょっと…」



何か相性的なものでも見えたんですかね、とパックの牛乳を飲みながら、森川さんはのんびりと答えた。



「大体キツネ、キツネって何なのアレは」



「うーん…はるるが不思議な力を持ってるのは事実で、それを踏まえた上で成田さんをそう呼んでるみたいなんで、これも何とも」



不思議な力?何ソレ。



まさか人には見えないものが見えたり、予知能力でもあったり、無くしたはずのもの見つけたりすんの?



「大まかに言うと…そんな感じです」



「どこの不思議ちゃんだよ、ソレ…」



げんなりとしたあたしが食べ終わったお弁当箱を片付けていると、ちょうど中原くん達がやって来た。



「随分早く来てたんだね」



「ここでお昼食べてたんです」



にこやかに答える森川さん。



残念ながら憂鬱真っただなかのあたしはひきつった笑いを向けるのが精一杯だった。



「打ち合わせは、先輩達来たら始めるけど…平気?」



「え?」



「いや、成田さん調子悪そうだから」



「大丈夫です、全く何にもないですいつもどおりです」



…こう言うとき、鋭すぎる男って対応に困るな…
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