アンタ達、あたしの日常どこやった?
なんとか心配そうな中原くんを追い払うと(って言い方も失礼だが)、あたしはファイルをとりあえず目の届かない所に押しやる。



何度も言うけど、あたしは切り替え下手の一点集中型なのだ。



高津遥の一件を考えながら真颯会の仕事するなんて到底無理。



実行委員会になっている隣の教室に移動すると、既にたくさんの生徒が集まっていた。



その大半は緑や青の学章を付けた先輩方。



ああ、リーダー系の立候補の方達かな。



見慣れない顔が多々ある。



後は競技のリクエストボックスの設置か。



せっかくだから従来の体育祭の競技以外にも面白い競技入れようよって話になって、無記名投票型の競技募集ボックスを設置してみたのだ。



どんなリクエストが来るのが楽しみ楽しみ。



「成田さん、」



「はい!」



中原くんに呼ばれて、あたしはダッシュでそっちに向かう。



「リーダー受付、説明とか細かい補足お願いしていい?」



「分かりました」



あたしは名簿の受付をしている体育委員の先輩方と一緒に、各役割の説明と、選出を手伝う。



複数の立候補があったら話し合いとかになるし、細かい話は多分執行部じゃないと分かんないしね。



あああ、こういう行事の準備って大好きだあたし。
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