アンタ達、あたしの日常どこやった?

何かそれこそ変なモンでも憑いてるんじゃなかろうか、って感じのファイルを手に、あたしは教室に戻る。



席について授業が始まると、合間にあたしはファイルを開いた。



…うわ、分かってたけどヒドい癖字。



しかも消しゴム使うのも面倒だったのか、二重線で消したり、矢印伸ばしたりしてる場所も多々ある。



これを読解するだけでも一晩かかりそうなのに、更にこれをパソコンに入力しろ、と…?



なんてムチャクチャな仕事。



でも、あたしがやんないと、このRuruさんの続編お蔵入りになっちゃうって言うんでしょう…?



「…なあなあ、成田サン」



「問い3の答えなら主語」



隣から本橋律の邪魔が入りそうだったので、すかさずあたしは次の問題の答えを教科書に丸をつけて示す。



…ちゃんと、こんなんでも授業聞いてるんだから。



さて、どうしたもんかねこのファイル。



仕方なく、ものすごく不本意だけど、あたしはファイルのデータ化に手を付けることにした。



…だって、Ruruさんの続編、読みたいじゃん。



全国のRuruさんファンから恨まれたくないし、あたし。
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