アンタ達、あたしの日常どこやった?
「すみませんごめんなさい、驚いたでしょう、突然」
ええ全力で引きましたけど。
まあ、そんなセリフはぐっと飲み込んで、あたしは社交辞令的な笑顔を返す。
「大丈夫です、さすがにちょっとびっくりはしましたけど」
「本当にすみません」
ぺこぺこと頭を下げるのは、くるくるした長い髪の子リスみたいなお嬢さん。
「何を謝ってるんだ未月、俺は何も、」
「はいはい、はるる落ち着いて」
俺女の言葉は、うまい事もう片方のお嬢さんが吸収してくれる。
…なるほど。"引き取り手"ってこういうことか。
「えーっと、真澄サン?」
「どしたん、麻架」
「落ち着いた今この間に解説プリーズ」
あたしは、恐らく3人全てを知ってるであろう隣の真澄に説明を求める。
「ああ、ちゃんと紹介して無かったわ」
うん、登場と同時に謎の会話が始まったからね。
「今まで居ったんが、高津遥。ウチと同じクラスで、中等部からの持ち上がり組」
ふんふん、"俺女"が高津遥。なんかそういやさっきも名前だけ言ってたっけ。
まあそれどころじゃなかったけど。