アンタ達、あたしの日常どこやった?
どこをどう取ったらあたしがキツネになるのよ?
自慢じゃないが目はぱっちり二重だし丸顔だぞ。
キツネ顔の要素ゼロじゃん。
「気配が、まごうことなきキツネだ」
「気配いいいい?!」
またワケわかんないとこ突いて来るんですけどこの人。
頭が痛くなってきたあたしの背後から、不意に声が降ってきた。
「何やってんだ、お前ら朝から騒がしい」
あ、立花先生。
「相変わらず騒動の中心は高津か?高校生になっても変わらんなあ」
…何、高津遥ってそんな問題児な訳?
「とりあえず、朝礼を早いとこさせてくれないかな。オリエンテーション出来ないから」
あんなにざわついていた廊下が静まり返っている。
気付けば廊下にはあたし達しか居なかった。
「予礼、だいぶ前に鳴ったんだがなあ」
うわわっ!マジかすみません!
そんなこんなで出会ってしまったあたし達。
まさかこれが今後延々と続く腐れ縁の始まりになるとは、あたしは思ってもいなかった。