アンタ達、あたしの日常どこやった?
真颯会執行部の任期は1年。
毎年フルメンバー総入れ換え。
だから下手な年に当たれば、昨年の後始末に追われて終わる1年になりかねない。
まあ幸いにも、昨年の真颯会は無難なメンツだったらしく、今年は会にさえ入ってしまえば大丈夫ってのは、真澄からリサーチ済みだ。
あたしはやるよ。
狙うはもちろん会長枠!
さすがに入ったばっかの乏しい人脈じゃ署名は無理でも、先生達の監査面接ならクリア出来る自信あるもん。
外面だけは強くたくましく育ってきたからね。
傷ひとつないくらいキレイですよ。
改めて"真颯会"への熱意に目覚めながら、オリエンテーションはあっと言う間に過ぎていった。
"真颯選"開催は5月だ。
あああ、今からうずうずするう。
そんなあたしの姿はなかなかに目立ったらしく、オリエンテーション後に出くわした真澄に思いきり笑われた。
「麻架、あんたホンマに"真颯会"んとこしか聞いてへんかったやろ」
「当然!」
「今年は…うん、まあ…麻架やったら会には入れるやろな」