アンタ達、あたしの日常どこやった?
そんなぐるぐる思考で廊下を歩く。
三連覇の王者が会長枠入ったらどうしようかな。
とりあえず真颯会に入れたとしても、中途半端な役職ついて、中途半端にソイツの言われるままに仕事するとか嫌だぞ。
…てか、なんであたし負ける前提の話してるんだ。
ダメダメ、あたしは勝ち上がるんだ。
打倒王者、狙うは下剋上!
「よっしゃ、負けねえ!」
ぐぐっと拳を突き上げて、決心新たに廊下を進むあたし。
がつり。
え、なんか手に鈍い痛み。
まるで人を殴ったかのような…
…ってか、殴ったよねあたし…!
廊下の曲がり際、出くわした相手に思いっきり一発かましちゃった…!
「あああ、すみません!」
慌てて思考を現実に引っ張り戻すと、あたしは目の前の人物に視線を向けた。
倒れていたのは、1人の男子生徒。
うわあ申し訳ないどうしよう。
「だ…大丈夫ですか?」
慌ててしゃがみこむと、当たったであろう相手の顔をのぞきこむ。