アンタ達、あたしの日常どこやった?

まさか、まさかね…


これまた見た目同様にさらっと爽やかに少女を追っ払うステキなセリフをかますイケメン。



じゃなかった中原くん。



今更よく見て気づいたけど、校章って言うの?制服のエリについてる飾りのカラーがあたしのリボンタイと同じ赤だ。



ちなみに2年は青、3年は緑だったかな。



先輩だったらマジどうしようと思ったけど、同級生でほっとした。



いや、もちろん同級生でも殴っちゃったのはマズいんだけど。



向こうの少女も同級生か。



クラスメートかなんかなのかな、様付け呼び気になるけど。



藤崎さん、とか言ったっけ。



中原くんの言葉を聞いて、仕方無さそうに引き下がった。



「…でしたら、先生にもそうお伝えしておきますわ」



おおお、効き目抜群だ。



廊下を戻って行く藤崎さん。



そこで気づく。



あたし達いつまで床に座り込んでるんだ?



「あの…もしかして足ひねったりとかしてませんよね」



「全然。このままの体勢の方が大事に見えるかなって思って」



藤崎さんわりと食い下がる方だから、とズボンをはたきながら中原くんが立ち上がる。



おおお、なかなか良い根性しとるのねこの人。
< 27 / 172 >

この作品をシェア

pagetop