アンタ達、あたしの日常どこやった?
そんなあたしの心の叫びが通ったのか何なのか、幸いにも放課後までは何も起こらずに済んだ。
終礼終わって解散かかった瞬間、あたしはDクラスにダッシュをかけた。
「真澄!」
鞄を持って立ち上がりかけていた真澄は、ひらひらと手を振って、あたしの声に応える。
そんな悠長な返事は要らん!早よ来い!
視界の済みに中原くんが映ったような気がしたけど、ちょっとスルーしておく。
「なんや、大事に巻き込まれたらしいなあ、麻架」
「そんな笑いながら言われても全然説得力無いから!」
「圭介殴ったんやって?」
「だから殴って…"圭介"?」
「おん、圭介」
そう言えば中原くんの下の名前が"圭介"だった気が…
「ちょっと待った。アンタと中原くんどーいう関係?」
「初等部から今まで、延々同じクラスのクラスメート」
何だ、その奇跡的巡り合わせ。
って言ってる場合じゃなかった。
「じゃあ…もしかして意図的に中原くんにあたしの情報流したな…?」
「せやから麻架にも流したやん。お互い様」
「あたし、そんなにはっきり聞いてない!」