アンタ達、あたしの日常どこやった?

がるがる、と噛みつかんばかりのあたしのオーラに苦笑しながら、真澄は帰る道すがら、あたしに中原くんの説明をようやくしてくれた。



中原圭介。



見たまんまのイケメン王子。



初等部時代からそのイケメンっぷりを発揮して女の子に大人気だった彼は、中等部に入って初の真颯選でダントツの票数を確保し会長の座に就いた。



その手腕は聞くも見事。



文字通りの"改革"っぷりを発揮し、今までの"中等部真颯会"のイメージがまるっと変わる勢いだった。



生徒も先生も楽しめる学校作り。



文字通り中原圭介はそれに成功した訳である。



「ちなみに、麻架と圭介の事件を吹聴して回ってくれたんが藤崎侑紀(ふじさきゆうき)言うねんけど、あれが圭介のファンクラブのトップな。どっかええとこのお嬢様ちゃうかったかな」



はー疲れた、とあたしが道すがら買ってやったジュースを飲みながら、真澄がようやく話にオチをつける。



うーむ。あたし、そんな凄いヤツと戦わなならんのかい。



負けたくない…けど、いや…うーん…



やっぱり負けたくない!



受験が良い例なように、あたしは反対されると俄然燃えるタイプなのである。
< 34 / 172 >

この作品をシェア

pagetop