アンタ達、あたしの日常どこやった?

「世間話?!」


「はい、最近の学校楽しい?とか家で何やってんの?とかあ、ニュースとかの時事ネタたずねられた人とか、好きな作家について延々と語らされた人とかも居るみたいです」



なんじゃそりゃあ?!!



「…で、結果は」



「その場で出ます。選挙頑張れって言われたら合格、みたいで。翌日真颯選の選挙委員会からハンコが届きます」



「ハンコ?あの、印鑑的な?」



「はい。選挙活動中はそれを押した物を使用した活動のみ許可されるんで」



「えっと…よく意味が…」



「ポスターや演説に配る紙に押したり、タスキを作るならそれに押したり。ちなみに無くしたら候補者失格らしいです」



改めて聞くとスゴいな、真颯選。



さすがだわこの手の込み様。



ふんふん、と聞いてるあたしの横で、空いてる席に座っていた真澄は静かだなと思ったら…寝てるし。



まあいっか。貴重なアドバイザーの紹介ありがとう真澄。



「で、ちなみに森川さんは今年は」



「あ、一応出ます。面接組で」



「じゃあお互い頑張りましょうね!」



むしろ一緒に選挙活動したいわ!



それじゃあ、と会釈した森川さんは、ふわふわした髪を揺らしながら鞄を持って教室を出ていった。

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