アンタ達、あたしの日常どこやった?
「なんか…調子悪い?大丈夫?あんまり、顔色良くないけど…」
ひょい、と中原くんに顔をのぞきこまれる。
近い近い、距離が近い…!
てか徹夜明けの顔見られるなんて最悪だ…!
「だ、大丈夫です!ちょっと夜ふかししすぎちゃって!」
あたしはルーズリーフを顔まで持ち上げるとその視線をギリギリの所でシャットダウン。
あああ、朝の光のなかで眩しいです、その爽やかオーラ…!
「そっか、無理しないようにね」
このさらりとした感じ、ホント上手いなあ…
確かにこのルックスでこの中身なら、ファンクラブも出来るわ…
「真颯選、正式に申請したんだってね」
「あ、はい…」
「俺も今日辺り申請に行こうと思ってるんだ」
「そう、なんですか…」
あああ、あたし変な緊張感で身体ガッチガチ。
頭もマトモに稼働してないから、ろくな受け答えもできない。
そんなあたしに、王子は決定打を打ち込んだ。
「…負けないよ?」
至近距離で王子がイケメンスマイル…!
運が良いのか悪いのか、ここで最寄り駅に到着。