アンタ達、あたしの日常どこやった?
「教壇、立って」
「…はい」
いかにも体育会系な生徒指導の先生。
神経質なのが見ただけで良く分かる、学年主任。
それに、担任の立花先生。
三方向から向けられる視線に負けないように、あたしは背筋を伸ばすと3人を見渡した。
「…学校生活、慣れた?」
口火を切ったのは、立花先生だった。
「あ、はい。だいぶ校舎の作りとか、学校のシステムとか頭に入って来ました」
「成田、なんでお前その学力でウチを選んだんだ?」
ズバリ、斬り込んでくる学年主任。
ええい、ここは嘘をついて隠してても仕方ない。
「真颯会の会長になって、真颯会を動かしたかったからです」
きっぱり言い切る。
「真颯会の為に入ったのか、お前?」
驚いた顔をする生徒指導の先生。
「ええ、そうです。学生生活を最大限に満喫する為には真颯会以上の場所が見いだせなかったからです」
ようやく謎が解けた、と言う顔で3人が視線を交わしあう。
そうか…あたしの入学の理由ってそんなに謎だったのか…
「で、話は変わるけど」
立花先生の発言に、来た!とあたしは思う。
きっとここからが本番だ。