アンタ達、あたしの日常どこやった?

先生達が3人、視線を交わしあって頷く。



「ナメクジ素足で踏んづける位なら、他の候補者もその調子で踏んづけるんだな」



立花先生が、そう言って笑う。



ううう、だからナメクジは不可抗力だったんですう…!



「その調子で頑張れ、真颯選」



「…え?」



確かアレよね、先生に"頑張れ"って言われたら…!



「なかなかいい根性でウチに入ってきたじゃないか」



言葉を継いだのは生徒指導。



「徹夜してたら夜明けは早い、全くだ」



学年主任が腕を組ながら笑う。



「ただ、魚介類は食わず嫌いなら治した方が良いぞ、案外食べてみると美味いから」



「じゃあ今度食べます!」



立花先生の言葉に間髪いれずに返したあたしの返事に、3人がまた笑った。



やった、通った監査面接!



「ありがとうございました!」



失礼します、と一礼して視聴覚室を出る。



腕時計を見ると、過ぎていた時間はわずか15分。



うっそ!気分的には一時間以上あったぞ!



何はともあれ、第一関門突破だ!
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