アンタ達、あたしの日常どこやった?

「なんでまた!?」



「だってほら、アンタ圭介に気に入られとるやん」



はああああ?



「いつからそんな話になってる訳!」



「今日もなんだかんだ言いながら一緒に登校して来よったし」



「どこ情報ソレ?!」



「アンタが前に言うとったんやで、壁に耳あり障子に目あり。」



もう一部では噂として広まってる。



そう言いながら真澄はニヤニヤとした笑いを隠さない。



「…何よ」



「オンナの嫉妬心は怖いからなあ、麻架」



まあ気張りや、とぽんぽん、と肩を叩かれてあたしは真澄をにらみつける。



「アンタ、あたしが置かれてる状況を楽しんでるなあああ!」


「やって、メッチャおもろいやん!」



「じょおおだんじゃないわよおおお!」



…面倒くさい。



特にあの"藤崎さん"立候補は面倒くさくなる空気がぷんぷんしている。



あたしは正直、あの中原くんに勝たなきゃいけないってだけでいっぱいいっぱいな訳であって。



あの"藤崎さん"に構っている余裕は少したりとも無いのである。
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