アンタ達、あたしの日常どこやった?
2人で並んで廊下を歩く。
こうやって見ると、森川さんって結構な美少女だよなあ。
背ぇちっちゃいし、性格いいし、ふわふわ天パをバレッタで止めた長い髪型似合ってるし。
ムダに背高いし、セットしてもすぐにまっすぐになる直毛ひっつめてるし、目ぇ悪いからすぐにらむ癖あるあたしとは大違いだ。(コンタクトしててもにらむ癖はなおってないらしい)
と、真颯会室の前でばったりと出会ってしまった。
中原くんと…藤崎さん。
「あ、成田さん」
「…どうも」
「二宮さんから聞いた。面接、通ったんだって?」
「…ええ、まあ」
「おめでとう、これで同じフィールドで戦えるね」
と、中原くんは、ぎっちりと名前のかかれた署名用紙を示して見せる。
…その間の、藤崎さんの後ろからの視線が痛いこと痛いこと。
いや、あたしあたりさわりない会話しかしてないじゃん。
話すのもダメっすか。
「はい、署名用紙確認の人はこっち」
「1年Cクラス、成田さんは居る?」
真颯会室に入ると、選挙管理の先輩たちにテキパキと指示を受ける。
「証明印貸し出しね。30日返却だから。成田さん1番の印鑑」
「1年Eクラス、森川さんは、2番の証明印で」
「署名確認完了、1年Dクラス、中原くん3番渡して」
「1年Aクラス、藤崎さんに4番」
あたしは気づいてなかった。
この4人が一緒にハンコ貰うのがそんなややこしい事態に発展するなんて。