アンタ達、あたしの日常どこやった?

まず会録の厚さが違う。



全然違う。前の年までの2倍はある。



その中身は、と言うと…



「スゴい…」



あたしは引き込まれるようにページをめくっていく。



まず、行事の数が段違いだ。



1ヶ月に1回、下手したら2回は何かしらの行事がある。



それまた上手いこと体育系と文化系の行事を織り混ぜてあって。



待て待て、修学旅行の行き先まで変わってないか…?



文化祭も、体育祭も、これだけ生徒主体でやりゃ楽しいだろ、って位。



予算編成も…おそらく手がけてるのは中原くんだろう。



って思わざるを得ないくらい完璧な配分。



ちょっと待て。



あの人これを中1でやってのけたのか…?!



なんて末恐ろしい中学生…



そして、これを越えろと言うのか。



コイツに立ち向かえと言うのか。



さすがのあたしも、背筋に冷や汗が流れるのを感じた。



デカい。敵がデカすぎる…



負けない、とは言ってきたけど。



あたしにこれを越える何が出来る?



あたしにあって、彼にないものって、何だ…?



結局閉館時間まで、あたしは3年分の中等部会録とにらめっこしたのだった。
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