アンタ達、あたしの日常どこやった?

「真颯選で頭いっぱいなのは分かるけど、やるべき事はしっかりやれよ」



ぺし、と日誌で頭をはたかれて、あたしは頭を下げるしかなかった。



「立花先生、すみません…」



「本橋には明日説教だな」



あたしの顔があまりにも冴えなかったんだろう。



おまえも根詰めすぎるなよ、と苦笑されると、お説教はカットであたしは職員室から解放された。



あーん、原稿は進まないし、日誌で怒られるし、ツイてない。



そう思いながら教室に戻ると、あたしは自分の机に向かう。



…あ、れ…?何か、変。



何が変って、さっきあたしが出ていった時と机の光景が違う気がする。



あたし、鞄を本橋律の机の上になんて置いてないし。



てか、ペンケースの中身が机に散らばってる。



おかしい。…て言うか怖い。



思わず、あたしはあたりを見回す。



無人の教室、人気のない廊下。



やだやだ、超気味が悪いんですけど!



もう続きは家でやろう。



そう思ってペンケースに中身を詰め始めたあたしは、ふと気がついた。



あれ、ハンコどこやったっけ。



確か、手遊びしてて、放送鳴って落っことして…



周囲の机の下を見回す。…無い。



え?マジ?あたしは床にしゃがみこんで本格的に探す。



ちょっとちょっと、無いんですけど。



無いんですけど…!!!
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