アンタ達、あたしの日常どこやった?
…翌朝早朝。
あたしは一目散に教室に来ると、再び床とにらめっこする。
…やっぱり、無いものは無い。
自分の席に座ると、あたしは昨日から延々と考えている犯人探しを再開した。
例の2年生の可能性は薄い。
だって、その人とあたしは未だ挨拶運動やクラス回りの時にチラリと顔を会わせた位で、ほとんど接点が無いからだ。
仮に、教室に来たとしてもあたしの席がドコで、あたしが教室に荷物おいてたかどうかなんて分かるはず無い。
じゃあ、中原くん?
余計無い無い。あの人がそんなアンフェアな勝ち方をして喜ぶタイプには見えない。
「うああ、分かんねぇ!」
背伸びしてじたばするあたし。
の、視界の隅に何かが映った。
「まさか…」
慌てて起き上がると、あたしは"それ"を指でつまみあげた。
「賭けるか…」
シラを切られたらそこまで。
違ったら大恥どころか、名誉毀損もいいところだが。
…でも。悪いけど、思い当たるのがひとりしか居ないもんで。
いつも挨拶運動に使ってるタスキを掴むと、あたしは校門前に向かった。
「おはよーございまーす」
何食わぬ顔で、挨拶運動を再開する。
気付いて挨拶を返してくれる生徒の数もだいぶ増えた。
その中で、あたしが待っているのは、ただひとり。
「成田さん、おはよう」
…来た。このタイミングを逃したらアウトだ。