アンタ達、あたしの日常どこやった?

ってそんな場合じゃなかった。



お弁当早く食べて原稿原稿。



あたしはあの人混みをとりあえず放置して、再び机に戻る。



本橋律の席が空いてるから、と真澄が机に腰かけてこちらを見やっている。



「原稿、どんな感じなん?」



「全くまとまってない…」



話が散らばりすぎて、結局、あたし何が言いたかったのか分かんないままひたすら書いては消し、書いては消しの繰り返し。



「悩みすぎなんちゃう?」



「ふへ?」



「真颯会ってどんなんかわかったから頭で固まってもうてんねん、多分。元々思うとった麻架の"真颯会"、そのまま話したらええやん」



ウチはそれ聞いとっただけで楽しそうやと思うたけどな、と真澄は足をぶらぶらとさせながらさらっと言う。



さらっと言ったけど、あたし今、メチャクチャ感動して泣きたくなったぞ…!



「そっか、あたしの考えてた真颯会、か…」



あ、何か良い感じにビジョンが見えてきた。



本当に出来た幼馴染み…神様仏様真澄様だわ…!
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