アンタ達、あたしの日常どこやった?

真澄の言葉を受けて書き始めた原稿は、午後の授業全部潰して(原稿と言う内職に当てて)、なんとか形になった。



おかげで放課後のリハーサルに行くあたしの足取りは軽い軽い。



「機嫌良さそうですね、成田さん」



「おかげさまで、原稿の仕上がりが見えてきたんで」



廊下で森川さんと待ち合わせて、講堂へと向かう。



日頃ほとんど使わない、って言うか入学式とオリエンテーション以来ぶりの講堂は、やたら広く感じた。



そりゃそうよね、ここに1200人収容する訳でしょ?



なんか、ドキドキしてきた。



ここで初めて、候補者すべてが顔合わせとなる。



藤崎さん辞退したから、8人か。



選挙管理委員の先輩にひと通りの流れをレクチャー受けて、実際に動いてみる。



ちなみに演説の順番は抽選。



ここでホワイトボードに書かれた大きなあみだクジが出てきた。



「じゃあ、申請順だから…成田さんから名前書いて」



「あ、はい」



久々だなああみだクジとか見たの。



下にはしっかり紙が張ってあって見えない。



いいや、適当な場所で。



どうせしゃべらなきゃならない事に変わりはないんだし。
< 85 / 172 >

この作品をシェア

pagetop