アンタ達、あたしの日常どこやった?
真澄の言葉を受けて書き始めた原稿は、午後の授業全部潰して(原稿と言う内職に当てて)、なんとか形になった。
おかげで放課後のリハーサルに行くあたしの足取りは軽い軽い。
「機嫌良さそうですね、成田さん」
「おかげさまで、原稿の仕上がりが見えてきたんで」
廊下で森川さんと待ち合わせて、講堂へと向かう。
日頃ほとんど使わない、って言うか入学式とオリエンテーション以来ぶりの講堂は、やたら広く感じた。
そりゃそうよね、ここに1200人収容する訳でしょ?
なんか、ドキドキしてきた。
ここで初めて、候補者すべてが顔合わせとなる。
藤崎さん辞退したから、8人か。
選挙管理委員の先輩にひと通りの流れをレクチャー受けて、実際に動いてみる。
ちなみに演説の順番は抽選。
ここでホワイトボードに書かれた大きなあみだクジが出てきた。
「じゃあ、申請順だから…成田さんから名前書いて」
「あ、はい」
久々だなああみだクジとか見たの。
下にはしっかり紙が張ってあって見えない。
いいや、適当な場所で。
どうせしゃべらなきゃならない事に変わりはないんだし。