アンタ達、あたしの日常どこやった?
「じゃあ、順番発表します」
ばさり、と貼ってあった紙がはがれる。
あたしの順番は、と…
ラストから2番目、かあ…まあそれなりに印象に残るポジションだからよしとしよう。
これはラストの人間があたし以上のインパクトがある人間じゃなきゃ勝てる。
そう思いながら、あたしは8の数字を下からたどって見ていく。
ここを右に行って、上がって、左で…
…うげ。
中原くんじゃん…!!
「あ、俺ラストだ」
のほほん、とした感じで中原くんがホワイトボードを見ている。
待て待て待て。ちょっとは緊張感持とうよ、王子。
そう言えば最後まで中原くんがなんか選挙活動したって話聞かなかったんだけど…何したのかな。
もしかして、いや待って、まさか…
「あの、中原くん…」
「何?」
「選挙活動って、何かしました?」
「俺?何もしてないよ」
…はい?
これが王者の貫禄ってやつですか…!?
「だから成田さんとか森川さんとか真面目だなあって思ってた」
「いや、だって普通は」
「そう言えば俺、今まで1回もそういうのした事ないんだよね」
なんだコイツ…!!!
あたしは開いた口が塞がらなかった。