アンタ達、あたしの日常どこやった?

その瞬間、ああ結果は分かったなって思ってしまった。



だって、目の前であんなカリスマ性の塊みたいなものを見せられたら。



でも、不思議と悔しさはわいてこなかった。



なんか、うん。納得しちゃったんだよな、目に見えない何かに。



それにあたしだって精一杯やりつくしたし。



そんな気分で、あたしは翌朝学校の門をくぐった。



「いやあ、いい線行っとったと思うよウチは」



「うん、あたしも楽しみにしてる、結果」



横で延々と同じ台詞を繰り返す真澄に苦笑しながら、あたしは靴箱へと向かう。



恐らく、結果はもう掲示されてるだろう。



確か、票数まで載るとか言ってた。



あんまり惨敗してると、さすがにショックだよなあ。



そう思いながら、上靴に履き替えていると。



「ちょ…麻架!麻架!」



「はいはい何、真澄?」



「見て!」



指差していたのは、開票結果。



当然のように、1番上に書かれていたのは"中原圭介"の文字だった。


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