アンタ達、あたしの日常どこやった?
あー、やっぱりなあ…
「どこ見とんの、そこちゃうわ!」
そんなあたしの頭を引っつかんで、真澄は視線を下へとずらさせる。
「10票、差…?」
「麻架!アンタ、もうちょっとで圭介に勝っとったんやで!」
悔しがる真澄(トトカルチョが有るからか)の横で、あたしはむしろ嬉しくて仕方なかった。
中原くんとあたしの得票数はちょうど10票差。
それだけ、あたしの言葉は皆に届いてたんだ…!
こうして、あたしの初の真颯選は幕を閉じた。
同時に、あたしの野望も無くなってしまった訳で。
でもあたしは妙にすっきりした気分だった。
『真颯会の伝統をぶち壊しましょう』
そんな発言を堂々と言った人間が動かしていく、この学校。
今からどうなるのだろう。
その楽しみの方が、今では落選のダメージよりも上回っていた。