アンタ達、あたしの日常どこやった?

「あ、ああ…そうなんだ」



やっぱり森川さんはなかなかの食わせ者だわ…



そりゃそうか。毎日のように高津遥やら中原くんやらと対等に渡り合って来てる訳だもんな、結局。



ほわほわと笑顔を向けて首をかしげる森川さんに、あたしは苦笑を返すしか無かった。



「そうか!キツネに未月が今年の真颯会役員か!」



後ろで唐突にあがったその台詞に、あたしは思わず振り返ってしまった。



…何かある訳?高津遥…



「これで高等部でも我らは安泰だな、葵!」



「まあ、面白くはなるんじゃないの?」



何かに納得したらしく、大人しくなった高津遥を放した杉村さんが、首を鳴らしながらそう答える。



ああそうだった、葵って杉村さんの事か…



「…"我らは安泰"って、一体どういう事ですか、森川さん…」



「うーん…説明するまでもなく、直ぐに分かると思います…」



こそこそと森川さんにたずねたら、そんな曖昧な答えが返ってきた。



うーん…あんまり良い予感はしないんだが。



とりあえず、当面の課題は、放課後の真颯会の会議によって、って感じかな。

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