アンタ達、あたしの日常どこやった?

そして、終礼もいつものように終わって放課後。



鞄を持っていざ会室へ、と向かおうとしていたあたしの足は教室を出て直ぐに止まってしまった。



「こんにちは、成田さん」



こんなふうに、爽やかなアイドルスマイルを飛ばせるイケメンが、そんな校内に2人も3人もいるはずがない。



そう、その声の相手は。



「…中原、くん?!」



「会議、忘れてないかなって思って迎えに来てみた」



「迎えに来られなくても忘れてませんから安心してください」



「そう?じゃあ良かったんだけど」



そう言って、中原くんが会室へと向かって歩き出す。



数歩遅れるようにして、あたしは後を追った。



やっぱ背ぇ高いなあ。高校生ってこんなモンなのかな男子。



てか何等身あるんだこのスタイルの良さ。8等身?



…って、そんなアイドル王子に見とれてる暇無かった。



あたしは今日1日、ずっと疑問に思っていた事を本人にぶつけてみた。



「あの、」



「何?」



「なんで、あたしが副会長なんですか?」



だってそうじゃん、中原くんひとりでも充分真颯会動かせるじゃん。



中等部の時から、ずっとそうやってきた訳でしょ?



しかもあたしがどんなに真颯会に固執していたかも知ってるはずだ。



絶対、自分の活動の邪魔にしかならないはずなのに、なんで。
< 98 / 172 >

この作品をシェア

pagetop