有明の月
「だから、毎朝ここで練習してんだ」



篠田くんが、あたしにボールをパスしてきた。



慌ててキャッチ。

「ビックリした!」




「やってみる?」



うん! って頷いて、コートに入った。



さっきより、辺りは明るくなってる。

太陽が存在感を増している。



朝日を受けてキラリと光る、リング目指してボールを投げる。



ガン! って、情けない音をたてて、ボールは外れる。



「あれ…? 簡単そうに見えたんだけどな」
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