有明の月
ふいに、篠田くんが振り向いた。



「飽きない? 見てても楽しいもんじゃないだろ?」



全然飽きない。
ずっと見ていたい。



「見てたら気が散る?」


「んなことねーよ」



…カッコイイとか、思ったことないし。



でも…。


見ていたい。




「もう三年だし。最後になるし」


篠田くんは、シュートしながら話す。


「どうしてもオレ、レギュラー外れたくねんだわ」



……カッコイイとか、思ったことないし。



 
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