魔王様と私
「マキちゃん」
なぁに?魔王。
「僕って、頼りない?」
…んー。微妙。
「え?微妙!?えー…」
いつもの魔王見てたらそりゃあね。
「……」
でも、さっきは頼もしかったよ。
「!本当?」
うん。
「そっか!じゃあさ」
ん?
「もっと僕を頼ってよ」
魔王が私をぎゅっと抱きしめた。
充分頼りにしてるよ。
「してないよ。だってマキちゃんったら、全部自分で背負おうとするじゃない」
そう?
「そうだよ。辛かった思い出も全部抱え込んじゃってさ」
……。
「僕に、話してみてよ。マキちゃんの全部、受け止めてあげるから」
魔王の甘やかすような声で、そう言われると、なんか話してもいいかなって思えるから不思議。
「ね?」
わかったよ。話すよ。
「ん」
だから、全部知っても、私を捨てないでね。
「勿論だよ」
私は、ここに来るまでのことを、魔王に話し出した。