シャープペンシル〜私の真ん中に先生〜
「しないの?告白。」

「ムリだよ…。先生授業が終わればすぐに定時制の学校に行っちゃうし。」

「ほんとにいいの?それで後悔しない?」



しないと言えばきっと嘘になる。


でも、今のあたしにはどうすることもできない。



“生徒”である限り、どうしたって先生には迷惑をかけるだけなのだ。




「まぁ、亜未がするとも思えなかったけど…。でもさ、お返しは欲しくない?」



あたしが気にしていることの中に、バレンタインのことがあった。


別にお返しを期待していたわけではない。


何か感想ぐらいは言ってくれることを待っていた。


でも結局何の反応もなかった。




「美味しかった」




そのたった一言が欲しかった。




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