シャープペンシル〜私の真ん中に先生〜
ドアが開けば先生が入ってくる。




顔を上げれば先生がいる。




そんな当たり前だった授業風景が今日でなくなる。





チョークで汚れないように捲った袖から見える腕。



1番後ろでもちゃんと見えるように大きく書く指。



男らしい大きな背中。




生徒にからかわれると、よく顔を赤らめていたよね。




授業中、こっそり手紙を書いていたら見つかって読まれちゃったこともあった。





明日には先生のことなんてみんなきっと忘れてしまう。




神様。



明日なんていらないから、どうか時を止めて下さい…。





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