シャープペンシル〜私の真ん中に先生〜
「先生!!」



地歴講義室に入ろうとする先生を呼び止める。


先生に追い付いたあたしの姿を見た先生は

(誰だこいつ?)

って顔をしてた。



当たり前か。
大して喋ったことないし。



「どの先生に用事?」


少し不機嫌そうに聞いてきた。



もしかして…先生朝弱い?



そんな先生の態度に少しビビリながら口を開く。


「いや…あの伊藤先生に…。」

「俺…?どうかしたの?」



あたしは大事に持ってきた袋を先生の前に差し出す。


「あの…2日遅れですけど…バレンタインのプレゼントです…。」

「え、俺にくれるの!?」



先生はさっきまでの様子と違って、驚いた表情で目をぱちくりとさせた。



「先生の口には合わないかもしれないですけど…。」

「いや…すごい嬉しいよ…。ありがとう!!」


袋を受け取ると、満面の笑顔でお礼を言ってくれた。



今のあたしの顔、絶対赤いよ…。



「じゃあ…ホームルームあるんで行きますね。」

「ありがとね、ホント。」


少し頭を下げて、麻子の元へと走った。




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