シャープペンシル〜私の真ん中に先生〜
公園に着いて自転車を止める。
この公園には街灯が一つしかなく、街灯から離れているベンチには誰かが座っているのは分かるが、顔までハッキリ見えない。
だけど、この時間にいるとしたら一人しかいないわけで。
「仲野くん!」
あたしは小走りでベンチまで走った。
仲野くんに駆け寄ると、被っていたニット帽をわざわざ外して、立ち上がった。
「ごめんな。急に呼び出して。」
「ううん。ごめんね、待たせて。寒かったでしょ?」
「いや、大丈夫…。」
いつもの仲野くんは明るくて、常に笑ってる人なのに、目の前にいる仲野くんは別人のように大人しかった。
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