シャープペンシル〜私の真ん中に先生〜


仲野くんは眉を下げて、

「そっか…。」

とだけ言って笑った。




「明日からも変わらず、クラスメイトてしてよろしくな!」


そう笑顔で言いながら公園を去って行った。



あたしはしばらくその背中を見つめていた。




こんなあたしを好きになってくれてありがとう。



いつも自分は告白する側だったから分からなかった。


告白を断ることがこんなにも辛いだなんて。



仲野くんはすごく素敵な人だと思う。


もし彼女になってたら、きっと大事にしてくれると思う。



でもあたし、自分に嘘はつけないよ。



こんなにも切ない気持ちになるのは一人だけ。



先生だけだって知ってるから。




あたしは公園からしばらく出れなかった。



何でか分からないけど、涙が溢れて止まらなかった。





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