シャープペンシル〜私の真ん中に先生〜
「で、島田はどうしたい?」
「え?」
「会いたい?」
「それはもちろん!」
稲本先生はあたしの答えを聞くと、引き出しから何かを取り出してあたしに渡した。
「これは…?」
「教員にしか配布されない冊子。ここに伊藤先生の住所と連絡先が書いてあるから今すぐメモって。」
「え…?」
「会いたいんでしょ?だったら手紙でも書いて、自分で会う約束しな。先生にはあたしから連絡しとくから。」
感動した。
稲本先生は良い先生だとは前から思ってたけど、さらに良い先生だと思った。
だって、生徒に先生の住所と連絡先を教えるなんて有り得ないこと。
ありがとう、稲本先生。
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