TABOO†獣(ケダモノ)が牙を剥く~秘密の恋
獣(ケダモノ)が牙を剥く
ガラッ
勢いよく扉が開いて、息を切らした女の子が二人飛び込んできた。
「律(リツ)、高瀬律を見ませんでした?!」
「見てません」
私は簡潔に答えて、イーゼルに立てかけたキャンバスに視線を戻した。
「おかしいな」
「確かにこっちのほうに走っていったのに」
女の子たちは納得できない様子で首を傾げながらも、立ち去っていった。
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