Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 紅虎が振り返ると同時に、桃井くんが出てきた。


 心なしかすっきりとした顔をしている。


 「檜山さん、ありがとうございました。僕、これからは自分に正直になります」


 深々とお辞儀をして、駆け出して行った。


 紅虎は片手を軽く挙げて答えていた。


 「紅虎が他の5人にしたこと、彼は知ってるの?」


 「知ってるさ、アイツに呼び出して貰ったからな。ケツ叩いて、噴水に落としただけだ。泣いて漏らしてる奴もいた。あれは傑作だったな」


 紅虎を敵に回したらいけないと思った瞬間だった。


 怖すぎる。


 サンゴちゃんがやられた事そのままお返ししたわけだ。


 「桃井くん、同じ大学なんでしょ?イジメがエスカレートしちゃうんじゃない?」


 「アイツはチキンだけど、チキンなりに頭を使ってたらしい。サンゴが暴行を受けてる様子を動画に残してた。何かあったら、それでどうにかするだろ?」


 「ひどい」


 「何だよ、説教する気か!?」


 「違う、ひどいよ。1人で実行しちゃうなんて、あたしもサンゴちゃんの敵取りたかった」


 紅虎はあたしの反応が予想外だったらしく、きょとんとした表情していた。

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