Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
お兄ちゃんに言われて、頷いた。
少しだけ、緊張する。
お兄ちゃんからオーナーである友達の話はよく聞く。
オーストラリア生まれのバイリンガル。
身長が180cm近くあって、スポーツカーを乗り回す。
スポーツ万能、成績優秀、容姿端麗。
完璧すぎるっ!人らしいのだ。
「虎、葵(あおい)だけれど、今、いいかな?」
お兄ちゃんが扉をノックすると、部屋の奥から低い声が返ってきた。
「開けるぞ」
お兄ちゃんはドアノブに手を伸ばし、回した。
いよいよ、完璧なオーナーとご対面。
どうしよう一目ぼれってあるのかな?
恋が始まる瞬間だったりして・・・
部屋が露になった瞬間、あたしは目を丸くした。
「え?・・・何この部屋・・・」
壁もカーペットも革張りのソファも間接照明も奥に見えるベッドも・・・赤、朱、紅、緋色!赤、一色だった。
思わず声に出てしまい、慌てて口許を押さえる。
お兄ちゃんは聞えなかったのか部屋の中へと進んで行った。