Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
角を曲がって、幼稚園の前を通ったらすぐ家に着く。
「紅虎」
「Ah?」
「あたしが紅虎って呼ぶの嫌?」
「何を今更、お前しつこそうだからもう諦めた」
「諦めたんだ・・・」
何だ、嫌なら家までおぶってくれるなら、呼び方を変えようかなって思ってたのに。
でも、あたしだけが紅虎を「紅虎」って呼んでいるのも特別な気がしていいかも。
「Romiだけの特権だったんだけど」
紅虎がぽつりと呟く。
前を歩くロミがあたしの事?と振り返り、キャンと小さく鳴いた。
え?ロミって紅虎を名前で呼ぶの?と訊き返すと、
「何でもねぇ、お前、重い」
と言い返された。