Colors of Life ～ドキドキ！ルームシェア～

　日がだいぶ長くなってきたけれど、花冷えでちょっぴり肌寒い。


　桜の花が散り、代わりに葉桜になった並木道を歩いている。


　6時を過ぎると、公園内の人もまばらだ。


　犬の散歩をしているおじさん、音楽を聞きながらジョギングをする学生、ベンチで語り合うカップル・・・


　「花っぽ、どうしたの？突然、茂みに隠れて」


　きょとんとした表情で近づいてくる金次くんに、しっと口許に人差し指を立てる。


　金次くんはロードバイクを近くの木に立てかけて、不思議そうな顔をしてあたしの隣にしゃがみ込んだ。


　「あのベンチに座ってる女の人、シェアメイトなの」


　この間、サンゴちゃんが大学生から暴行を受けたプール施設の前にある噴水。


　その周りを囲うように設置されているベンチの1つに奈々が座っていた。


　隣には男の人が、年齢は20代後半から30代前半くらい。


　すらっとしていて、品のいい顔立ちをしていた。


　奈々の彼氏なのかな？


　咄嗟に隠れてしまったのは、2人の雰囲気が深刻そうだったからだ。



　「誰よ、あの女。・・・やっぱり浮気してたんだ」


　「違うんだ。誤解だよ。あの子は学生時代の後輩なんだ」


　「嘘。携帯見たもの」