Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「金次くん、勝手にアフレコするのやめてよ」


 「絶対そうだって。修羅場っぽいもん」


 金次くんがにやりと笑う。


 金次くんの妄想は置いといて、一体何を話してるんだろう?


 ここからじゃ距離があって聞えない。


 深刻な表情をしてるのは解るんだけど・・・奈々がすっと立ち上がり、去ろうとする。


 隣の男が奈々の腕を掴み、抱き締める。


 奈々は離れようとするけれど、男の力が強いらしい。


 男はそのまま強引に奈々にキスをした。


 「チューした。花っぽ、あの人、チューしたよ」


 「も~う、ちょっと黙っててよ、金次くん」


 いけないものを見てしまったような気がして立ち上がった。


 早足でその場を去ろうとしたら、続き見ないの?とのんびりした口調で金次くんがロードバイクを押しながら後を付いてきた。


 

 「今日は手巻き寿司パーティーで~す」


 玄関でエプロン姿のサンゴちゃんが迎えてくれた。


 来客用のスリッパを出し、どうぞと金次くんを促す。


 「私、サンゴよ。よろぴくね」

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