Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 お得意の「だから何?」


 きょとんとした表情で、あたしたちのやり取りを見ていた金次くんは訊ねた。


 「ねぇ、花っぽ。この人、何でこんな話し方なの?外国人かぶれ?」


 うわっ、あたしもちょっと気になってたことをストレートに!


 慌てるあたしに紅虎の横にいたお兄ちゃんが噴出した。


 「虎ちゃんはオーストラリア生まれの、オーストラリア育ちなの。初めは違和感があるかもしれないけど、慣れれば気にならなくなるわ。逆に虎ちゃんのバリトンヴォイスの流暢な英語が私を悶えさせるというか・・・」


 「サンゴちゃん、だんだんずれてきてる」


 「君はあれだね、思ったこと全部口にするタイプなんだね」


 笑いを堪えながら、正直でいいねとお兄ちゃんがフォローする。


 紅虎は不機嫌を露にしている。


 「勝手に言ってろ。部屋に戻る。Leave me alone.」


 「虎ちゃん、ご飯・・・」


 サンゴちゃんが言い終わる前にリビングの扉を勢いよく閉めて、階段を駆け上って行ってしまった。


 「何で怒ったの?」


 「いや、ちょっと落ち込むことがあったみたいで、もともとご機嫌斜めだったんだ。明日になればけろっとしてるから。今はほっとこう」


 不思議そうに訊ねる金次くんにお兄ちゃんが優しく言う。


 「落ち込む?あの紅虎が?」


 信じられなくて声に出てしまった。

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