Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「ねぇ、家族に送るなら、紅虎もロミと一緒に映ったら?あたし撮ってあげる」


 「Ah?自分撮りとかキモいわ」とか否定されるかと思ったら、意外にも、じゃあ頼むわと携帯を渡された。


 「画面にタッチすればシャッターが切れるから」


 そう言うと紅虎はロミを抱え、芝生の上にあぐらをかいた。


 「いくよ~。はい、チーズ」



 パシャリ



 シャッター音が鳴った瞬間、あたしの胸もどくんと震えた。


 画面の中の紅虎が優しい笑顔で微笑んだ。


 いつもは鋭い眼光が、細くなって目じりが下がる。


 大きく開いた口から白い歯が覗いている。


 右側にだけえくぼが出来るんだ。


 やっぱりあの時、海外からの便箋を受け取った時の紅虎の表情は見間違いじゃなかったんだ。


 「おい、ちゃんと撮れたか?」


 「え?あ、うん・・・あ!」


 急に声を掛けられてびっくりした。


 右手からするりと紅虎の携帯が落ちてしまった。


 「お前、人の携帯落とすんじゃねぇ」

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