Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~
「確かに色気はないけれど、本人目の前にして言うようなことじゃないだろ?仮にも俺の妹だし、初対面だし」
そうそうって、色気ないくだりは肯定?思わずムッとした気持ちが顔に出る。
「よろしく、チビ」
紅虎は大きな手の平であたしの頭をがっと掴むと、わしわしと撫でた。
力が強くて首が痛くなった。
「これ、部屋の鍵と、家の鍵だから。家のルールはしっかり者の葵に聞いとくように。オーナーからは以上。じゃ、ゲームの続きするから出て行ってくれ」
ソファの前のローテーブルの上に置かれた真っ白な鍵、2つを手に握らされ、お兄ちゃんとあたしは紅虎に背中を押されて、部屋を追い出された。
唖然。
何も言い返すことが出来なかった。
何、さっきの人?
あれがオーナー?っていうか、お兄ちゃんの友達なの?
部屋を出たら、悔しさと疑問がふつふつと湧いてきて、
「何なの、あの失礼な人!」
とお兄ちゃんに迫っていた。
「まあまあ、あんなんだけど、いい奴だから」
「どこが!?」
「落ち着いて、とりあえず俺の部屋に入ろう。説明するから」
お兄ちゃんに肩を掴まれ、全く理解出来ずに右側奥の「Room5」の部屋へと案内された。