Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 お兄ちゃんも気付き、映画を一時停止する。


 「何言ってるかわからないけど、紅虎の声だよね?」


 お兄ちゃんの後について玄関へ向かう。


 サンゴちゃんが廊下の電気を付けた。


 「奈々!」


 玄関の扉が開き、びくんと体が反応した。


 「虎ちゃんには関係ないでしょ!ほっといて!!」


 奈々は履いているパンプスを乱暴に靴箱に突っ込むと、行く手を塞いでいたあたしたちの間を無理矢理抜け、自分の部屋に入ると内側から鍵をした。


 あまりにも唐突な出来事だった。


 「どうしちゃったの、あの格好」


 サンゴちゃんが驚くもの無理はない。


 奈々は何故か菫色のナース服を着ていたのだ。


 奈々を追いかけて、玄関に入って来た紅虎は、奈々のカバンと私服の入ったショップの紙袋を廊下に置くと、靴を脱ぎ、ため息をついた。


 今日の紅虎は細身のスーツで決めている。


 「何があったんだ?」


 お兄ちゃんが訊ねると、紅虎はイライラした様子で頭を掻き毟った。


 「どうしたもこうしたもねぇ。奈々の奴、ピ○サロで働いていやがった」


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