Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「ごめん、葵ちゃん」


 サンゴちゃんがぺろりと舌を出す。


 あたしとしては全然構わなかったんだけど、お兄ちゃんは過保護なんだから。


 「何であんな店にいるんだって訊いてもシカトだし、ほっといての一点張りなんだよな。何があったのか全く解らない」


 紅虎はお手上げという風に両手を上に向けた。


 「奈々ってあんまり自分のことは話さないからな」


 「あたし、明日、改めて訊いてみようか?女同士の方が話やすいこともあるから」


 お兄ちゃんがそうかと頷き、紅虎は無言で紅茶のカップを取った。




 「花」


 自分の部屋に戻ろうとした所で、後ろからサンゴちゃんに声を掛けられた。


 結局、この日はもう映画を見る気分になれなくて、そのまま自室に解散になった。


 「さっきの話、前、花が見たって言ってた奈々の彼氏に関係あるのかしら?」


 「サンゴちゃんもそう思う?ワケありだったら、みんなの前で言うのもなって思って・・・」


 「私も花と一緒に訊いてみてもいい?」


 「うん、サンゴちゃんがいてくれたら頼もしいよ」


 じゃあ、また明日。


 約束をして、それぞれ部屋に入った。

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