Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 「辞めたってどういうことよ?」


 あたしはサンゴちゃんと顔を見合い、奈々に向き直った。


 今、会社辞めたって、言った?


 「だから・・・うっ」


 突然、奈々は口許を押さえ、バスルームへと駆け出した。


 扉を開けっぱなしのまま、便座の前に屈み、嘔吐している。


 「だ、大丈夫?」


 奈々を追いかけてバスルームへ向かう。


 苦しいのか涙を浮かべている奈々の背中を擦った。


 胃の中のものを全て吐き出した奈々は床に腰を降ろした。立てた両膝の前で両手を組み、苦しそうに呼吸をする。


 「奈々、まさか、あんた、妊娠____?」


 サンゴちゃんが奈々の両肩を掴み、顔を覗き込んだ。


 「してない!変なこと考えるな!」


 きっぱり否定していた。




 「朝ご飯は食べられる?」


 「食欲ない」


 「せめてお味噌汁だけでも、何も食べないのもよくないわ。ただでさえ、胃がからっぽなのに」

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