Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 奈々がトイレで吐いた後、あたしたちは奈々に付き添いベッドに向かった。


 サンゴちゃんが豆腐とワカメのお味噌汁をお盆に乗せて持ってきて、奈々のベッドのサイドに置いた。


 初めて入る奈々の部屋は意外だった。


 いつもヒールの高い靴に膝上のスカートが基本の格好だったから、もしかしたら豹柄とか黒とマゼンダにキティちゃんとか、いかにも奈々みたいな女の子が好きそうな部屋を想像してたのに、奈々の部屋はアジアンティックだった。


 紫を基調にした動物の絵が描かれた布がカーペット代わりに敷いてあるし、家具は深い紫に染められた籐のような材質で統一されていて、木で出来た猫の置物が棚に飾られている。


 机の上にたくさんの化粧品と香水のビンが、麻を藤色に染めたような素材のカーテンには、これもまた麻で作られた白と赤紫の拳大の真ん丸いライトが連なって飾られている。


 唯一ある小さな窓には小さな熱帯系の観葉植物が置かれていた。


 紫のグラデーション模様のベッドカバーの上に座り、枕をクッションにして、奈々はお味噌汁を一口啜った。


 「なんか、優しい味」


 「ちゃんと出汁取ってるんだから、当たり前よ!」


 サンゴちゃんは誇らしげに言うと、奈々のベッドの端に足を組んで座った。


 あたしは机の椅子を借りて奈々に向き直った。


 「本題に入るけど・・・会社辞めたってどういう事?」


 まずはサンゴちゃんが切り出した。


 奈々はお椀をサイドに置くと、小さなため息をついた。

 
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