Colors of Life ~ドキドキ!ルームシェア~


 ううんと首を振る。


 「バイトの帰りに遠くから見かけただけ。遠目で話してる姿が深刻そうだったから気になってたの。その日、奈々が帰ってきたの深夜だったし、元気なさそうだったし」


 男の人が奈々にキスしていたことは言わないでおいた。


 奈々はそうと小さく呟いた。




 沈黙。


 それから数分は誰も何も話さなかった。


 気まずい雰囲気が部屋中に溢れている。


 「・・・さっきのは」


 最初に発したのは奈々だった。


 サンゴちゃんもあたしも奈々に注目する。


 「ストレス性の胃炎なの。会社のこと考えると吐き気がして、胃がキリキリ痛みだしてダメなの。あの人が___」


 ぽたりと涙が流れた。


 一旦流れ出すと堪えられなくなり、嗚咽交じりに奈々は泣き出した。


 サンゴちゃんが奈々の隣に移動して、奈々の肩を優しく抱いた。


 
 サンゴちゃんが温かい日本茶を淹れてくれた。


 お茶を飲んで気持ちが少し落ち着いたのか奈々は携帯の写メを見せてくれた。

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